CAT'S EYE(猫の視点)

伝承や唄の地下水脈というものについて

mixiをやっている人には、もう紹介したけど、
TIME JUMPERという企画を、KOJIさんとやっていた。
詳細は、またウェブ版をリリースしたときに紹介するけど、
簡単に言えば、シベリア〜アイヌ〜北米先住民へと
伝搬していった伝承文化をもとに、物語を作って、
KOJIさんの作るシルバーアクセサリーと私の写真と
文章で見せるというもの。

e0089531_2133659.jpg








なので、今回は、
KOJI(シルバーアクセサリーデザイン)
mirei(写真・小説・紙面デザイン)
というキャスティング。


一年前から色々と調べモノをしながら進めてきたけど、
先住民文化は、本当に興味深く面白かった。

物語に関連したものだと、ワタリガラスが天地開闢の上で
重要な役割を果たしていることが共通点となっている。
暗闇に包まれていた世界に光をもたらしたワタリガラス。
この伝説は、シベリアからアリューシャン列島の彼方の北米
にまで伝搬している。ちなみに日本だとヤタガラスが
それに相当するのだとか。

物語に関係ないものでも、共通点は多い。
例えば、三種の神器は、かつてコーカサス地方で勢力を広げていた
騎馬民族、スキタイにもある。日本の三種の神器、鏡、剣、勾玉がそれぞれ、
聖杯(水を満たして鏡の代わりに使う)、斧(武器)、鍬(豊饒と生命)
に置き換わっている。そして、スキタイ文化は、アルタイ・シベリア地方にも
影響を与えている。

ところが、「音」という切り口で見た場合、朝鮮半島とケルトに一致が
見られたり(実際聴くと区別がつかない)、ヨーロッパやポリネシアに
浦島伝説と酷似した伝承が見つかったりすることもある。直接的な
交流が無いような地域でも、このようなことが多く見つかるのだ。

このような一致を「同じ人間、考えることは一緒」と捉えるか、視覚で捉えた
ものとは、また違った地下水脈のようなものが、この世界にあるという可能性
として捉えるかによって、世界の見方は大きく変わると思う。

私は、自身の経験からも後者のようなものがあるような気がしてならなかった。
この世界は目には見えないレイヤーのようなものによって成り立っているし、
場合によっては、目に見えるにもかかわらず気が付かないものさえある。

そして、より良く生きるために、その水脈を泳いでいく術というのは
あるのだと思う。海に生きる者達が、海との付き合い方を学んでいくように。

最近、そのような予感を、確信に近づけてくれる本と出会うことが多い。
我々がどこから来て、どこへと向かっていくのか? という問いを、
たとえ僅かながらでも心の中に持ち続ける人にとって、このような
知識との出会いから多くの示唆を得ることができると思う。

e0089531_20585459.jpg「地球交響曲第三番 魂の旅」(龍村 仁 著)

映画「地球交響曲第三番」の制作秘話のような内容だけど、これがもの凄い! ノンフィクションを読んで泣いたのはこれが初めてかも。民族学や自然科学を横断しつつ、この世界がどのように成り立っているのかを読み解いていく龍村氏の視点の的確さに胸を打たれる。映画を見ていない人でも楽しめるけど、映画も必見の内容。









e0089531_20592640.jpg
「ソングライン」(ブルース・チャトウィン 著)
説明が難しい。
オーストラリアのアボリジニーたちが、かつて砂漠を流浪しながら、見たもの聞いたものを歌に歌いながら、伝えていった…、とは言っても、これは単に口承によって知識が伝えられたという範囲に留まらない話らしい。例えるなら歌がインターネットの代わりになっていた、という感じだろうか。
彼らは歌によって旅をしていた。大陸全土に広がる、目には見えない道が歌の中に隠されているのである。これは、ポリネシアの人々が、彼らの伝統的な丸木のカヌーで太平洋を旅するときに、夜空に広がる星々と、歌い継がれた知識と、全身の感覚(波の音の微妙な変化や空気の香りの変化)を地図代わりにしてきたことと、少し似ているのかもしれない。まだ読んでる途中だけど、最後まで読んだらまた書くかも。
e0089531_2101135.jpg「宇宙船とカヌー」(ケネス・ブラウワー 著)
プリンストン高等学術研究所の教授であり、若干24歳の時にダイソン方程式を発見した物理学者フリーマン・ダイソンと、その息子ジョージの物語。科学至上主義の父に反発して、家を飛び出し、アラスカの先住民のもとで伝統航海を学ぶようになったジョージと父の和解は、単なる個人同士の和解以上の意味を持っていたと言える。結局のところ、見る窓は違ってもこの親子が探求しようとしていたものは同じであったし、和解により両者が融合することによって、フリーマン・ダイソン自身の研究も、宇宙物理学から派生して、より生命科学に寄ったベクトルへと、大きな変化を見せたし、それによって大きく進化したと言えるからだ。
[PR]
by mikeneko301 | 2006-12-12 21:15 | 本・音楽・アートなど
<< もっとキスを… Pure Heaven!!! ... >>



日々の雑感や妄想とか。