CAT'S EYE(猫の視点)

象形文字と狼の夢

先月だったか、北米の原住民に伝わる、
石に刻まれた象形文字についての夢を見た。
そもそも先月にこの夢を見たから、
最近久しぶりに先住民関係の資料を引っ張り出したわけで。。。

現実では、象形文字の内容は未だ全てが明らかにされたわけではないが、夢の中ではそれらの一つひとつが戯曲になっているという設定。
戯曲は、あらゆる年代や立場に応じたものが叙事詩のように描かれていて、それぞれにふさわしい立場の者が、しかるべき時に触れることになっている。たとえば妊婦のための戯曲に壮年期の男が触れることはない。同じ女が年老いた時も然りである。

夢の中で私は象形文字が刻まれた岩盤の一つをそっと撫でる。

すると物語が私の意識の中に流れ込んでくる。



私は森に棲む一匹の狼だ。
かつては多くの兄弟同朋と共に暮らしていたこともあったが、
同朋たちはすでに皆遠くへと旅立ってしまった。
あの星空の彼方へと旅立って行ったものもいる(※)。
再び会うことはないだろう。

(※夢の中でその言い回しは「死」を意味することになっている)

耐えがたいほどの孤独感で私の胸は張り裂けそうだ。
しかし獣である身では泣くこともできない。
そのやるせない叫びが喉を震わせて夜空に、森にこだまする。

するとどうだろう。
姿こそは見えないが、同じような遠吠えが木々の向こうから、
かすかなれど、あの山の向こうからも聞こえてくる。

皆それぞれの孤独の中を生きている。
私と彼ら、あるいは彼ら同士が同朋となることはない。
故に遠吠えを聞きあったところで孤独感が癒されることはないのだ。

そこに年老いた山猫がやってきた。
言葉は通じないが土地勘があることから察すると
彼女はかつてここに棲んでいたことがあったらしい。

私は狼だ。
そして腹を空かせている。
自然の摂理に従うなら彼女を捕って食べるべきなのだろう。

弱って横たわる彼女の毛を繕いながら思う。

しかしたとえ摂理に背こうとも、
たとえ一方的な想いだとしても、
私は彼女の友人として彼女が永遠に眼を閉じ、
土へと還るのを見守りたいと思うのだった。
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by mikeneko301 | 2010-06-02 20:30
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